消費者行政を一元的に所管する行政機関。耐震偽装事件や食品偽装問題など、消費者被害が相次いだのを受け、2007年10月に福田康夫首相(当時)が所信表明演説で「消費者や生活者の視点に立った行政への転換」を打ち出し、消費者庁構想を提唱。麻生太郎内閣がこれを受け継ぎ、09年5月29日に消費者庁設置関連3法が成立、同年9月に発足できるよう準備を進めている。消費者庁は内閣府の外局に置かれ、200人規模でスタート。景品表示法、特定商取引法、食品安全基本法、製造物責任法など、「表示」「取引」「安全」の3分野に関する約30本の法律を所管し、トラブルを起こした業者への立ち入り調査や勧告などの権限を持つほか、監督する省庁の対応が不十分だった場合は改善勧告を出すこともできる。また、内閣府本府に第三者による監視機関「消費者委員会」(委員10人以内)も併設され、両機関が一体となって消費者行政を担う。