東日本大震災で被害を受けた水産業の復興策。政府の東日本大震災復興構想会議が2011年6月25日に発表した「復興への提言~悲惨のなかの希望~」を踏まえ、同月28日に水産庁が水産分野の復興に向けた取り組み方針として策定した。マスタープランは、「水産を構成する各分野の総合的・一体的な復興を推進する」とし、(1)漁港、(2)漁場・資源、(3)漁船・漁業管理、(4)養殖・栽培漁業、(5)水産加工・流通、(6)漁業経営、(7)漁協、(8)漁村の分野別に復興対策を明記。漁港ごとに機能分担して地域一体で復旧・復興すること、漁船・船団の近代化・合理化を進めていくこと、水産関連産業と漁業団体とが連携・協力して、地域水産業を一体的に再生する施設を整備することなどが盛り込まれた。「水産業復興特区」については、地元漁業者が主体となって構成する法人が、漁協と同等に漁業権を取得できる仕組みを具体化するとし、民間企業の漁業参入を促している。また、原子力発電所事故への対応にも言及し、放射性物質の調査などに対する国の取り組みを強化することや、海外に向けて食の安全性に関する情報を発信することを明記した。