内閣府が1975年からほぼ年に一回行っている、外交に関する国民の意識調査。層化2段無作為抽出法という、統計学に基づいた一種の「抽選」で選んだ、全国の20歳以上の男女3000人を対象に、調査員が面接方式で実施している。75年の初回では、天皇のアメリカ訪問、世界各国との文化交流、在外日本大使館に望むこと、経済協力、海洋法会議、中南米諸国のイメージ、中国への関心などについて調査した。2000年代に入ってからは、(1)アメリカ、ロシア、中国、韓国をはじめとする諸外国と日本との関係について、(2)経済協力について、(3)PKO(国連平和維持活動)や常任理事国入りなど、国連における日本の役割について、(4)国際社会における日本の役割、を柱として調査している。11年9~10月に行われた調査では、アメリカに「親しみを感じる」とする人が41.4%で、「どちらかというと親しみを感じる」40.5%と合わせて82.0%と、1978年にこの質問が設定されて以来、過去最高となった。東日本大震災の折に、アメリカ軍が「トモダチ作戦」を通じて大規模な支援を行ったことで、好意が高まったと分析されている。一方、2010年11月にメドベージェフ大統領が国後島を訪問するなどしたロシアに関しては、日ロ関係を「良好だと思う」人が前回調査の22.7%から17.0%に減り、「良好だと思わない」人が、同じく70.9%から75.8%に増えた。中国に対しては、「親しみを感じる」人5.5%に「どちらかというと親しみを感じる」20.8%を合わせて26.3%が親しみを感じるとしていて、前回調査の20.0%から増加している。そのほか、北朝鮮への関心事項では、「日本人拉致問題」を挙げた人が84.7%と、核問題(65.0%)、ミサイル問題(52.0%)を引き離してトップとなった。