民主党が掲げる子育て支援策の一つで、中学校卒業までの子ども一人に対して、年額31万2000円(月額2万6000円)を支給するもの。現行の児童手当とは異なり、世帯の所得や子どもの年齢、人数による差を設けずに、一律で支給される。2009年8月の衆議院議員総選挙に向けて発表された民主党のマニフェストに盛り込まれ、高速道路の無料化などとともに、同党の政権公約の目玉として注目された。マニフェストによれば、子ども手当は、支給開始の10年度は半額(月額1万3000円)を、11年度からは全額を支給。初年度に2兆7000億円、11年度以降、毎年5兆5000億円が必要となる財源は、所得税の扶養控除と配偶者控除を廃止して得られる増収分を充てるとしている。控除廃止と手当支給による損益について、民主党が発表した試算では、約1100万世帯で手取りが増加する一方、妻が専業主婦の子どものいない約196万世帯では負担が増し、単身世帯と子どものいない共働き世帯には影響がないとしている。支給方法は、児童手当と同じく、年数回の分割給付が検討されている。同制度は、07年7月の参議院議員選挙に向けて発表されたマニフェストに盛り込まれ、同年12月には議員立法で「子ども手当法案」が参議院に提出されたが、廃案となっていたもの。衆議院議員総選挙の結果、民主党が政権交代を実現させたことから、子ども手当の創設も現実味を帯びることとなった。