文部科学省が、新たなスポーツ文化の確立を目指して策定し、2010年8月26日に公表した、今後の日本のスポーツ政策の基本的方向性を示す戦略。すべての人々にスポーツの機会を確保し、安全・公正にスポーツを行うことができる環境を整備することを基本的な考え方とし、(1)ライフステージに応じたスポーツ機会の創造、(2)世界で競い合うトップアスリートの育成・強化、(3)スポーツ界の連携・協働による「好循環」の創出、(4)スポーツ界における透明性や公平・公正性の向上、(5)社会全体でスポーツを支える基盤の整備、という5つの重点戦略を掲げた。(1)に関しては、できるだけ早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65%程度)、成人の週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)となることを目指すとし、(2)に関しては、今後の夏季・冬季オリンピックで、それぞれ過去最多(夏季37、冬季10以上)のメダルの獲得を目指すとした。また、(3)に関しては、広域市町村圏(全国300カ所程度)の総合型クラブに、引退後のトップアスリートなど優れた指導者を配置することで、トップスポーツと地域スポーツの好循環を創出するとしている。文部科学省はこれらの目標を達成するための予算として、2011年度概算要求に54億円を盛り込み、11年の通常国会に、スポーツ基本法を提出することを目指している。