司法試験に合格後、裁判官、検事、弁護士となるために、司法研修所で法律実務を学ぶ修習生のこと。旧司法試験合格者は「少なくとも1年4カ月」、新司法試験合格者は1年間の修習が課せられている。1947年以降、日本では、裁判官、検事、弁護士のいずれの道に進む者であれ、同じカリキュラムで行う「統一修習制度」が採られている。それぞれの立場からの事件の見方を学び、物事を客観的に、公平にとらえる能力を養うためである。修習生は、経験の豊かな裁判官、検事、弁護士の個別指導の下で、実際の事件の取り扱いを体験的に学び、幅広く複雑な法的状況に対応できる基礎力とともに、プロとしての高い倫理観と職業意識を身につけることが求められる。修習期間中、修習生は、秘密を保持する法的義務のほか、修習に専念する義務が課され、アルバイトなどは禁止される。そのためこれまでは、期間中に住宅手当を含めて月20数万円の給与などが支払われる「給費制」が行われてきた。しかし、司法制度改革で法曹人口の増加が打ち出されたことから、2004年に、これを修習終了後に無利子で返済させる「貸与制」に切り替える裁判所法改正が行われた。10年11月1日に施行されたが、「裕福な人しか法律家になれなくなる」と日本弁護士連合会(日弁連)が反発。日弁連の働きかけを受けて、10年11月26日、参議院本会議で、「給付制」を11年10月まで維持する改正裁判所法が、みんなの党を除く賛成多数で可決、成立した。