道府県の区域内の市町村を廃止し、特別区の設置を可能にする法律。橋下徹大阪市長が率いる地域政党「大阪維新の会」が目指している「大阪都構想」の実現を後押しするもので、2012年8月29日に成立した。特別区を設置できるのは、人口200万人以上の政令指定都市または政令指定都市と隣接自治体の総人口が200万人以上の地域。現在の人口規模では、札幌、さいたま、千葉、横浜、川崎、名古屋、京都、大阪、堺、神戸の10政令市が対象となる。特別区に認定されると、東京23区のように区長は選挙で選ばれることになり、予算編成や条例も独自に制定できるようになる。特別区の設置を申請するには、それぞれ道府県と特別区設置協議会を設置し、特別区の設置日、名称、区域、議会の議員定数、事務の分担、税源の配分などを定めた特別区設置協定書を作成する。ただ、同法には道府県名を変更できる規定は盛り込まれておらず、大阪に特別区が設置されても「大阪都」に改めることはできない。橋下市長は15年4月に大阪府を大阪都へ移行するとの目標を掲げているが、実現までには関連法の改正や、大阪市の住民投票で過半数の賛成が必要となるなど、多くの課題が残されている。