国の出先機関を改革するための道筋を示すもの。出先機関は、国家行政組織法や各府省設置法に基づき、都道府県や地方ブロック単位で設置されている地方機関で、法律上の名称は「地方支分部局」という。約33万人の国家公務員のうち、およそ21万人が勤務している。国の直轄事業や許認可事務などを担うが、地方自治体と仕事が重なり、「二重行政」との批判が強く、改革が叫ばれている。政府は、2008年12月に地方分権改革推進委員会が出した第2次勧告を踏まえ、09年3月24日に「出先機関改革に係る工程表」を決定。09年中に出先機関の改革大綱を閣議決定し、10年の通常国会で改革関連一括法案を国会に提出、12年度から新体制に移行することなどを示した。しかし、族議員や官僚の抵抗が強く、第2次勧告で示された組織の統廃合計画や、出先機関職員を3万5000人削減するといった案などは盛り込まず、具体的な中身は先送りされた。