刑務所から仮釈放された元受刑者や少年院から仮退院した少年を一定期間滞在させて、そこに宿泊させながら、専門家である保護観察官の直接指導監督の下、より確実な更生と円滑な社会復帰を支援する施設。刑期を終えた元受刑者が、頼るべき親族や知人など受け入れ先も仕事もなしに、自力で生活しながら更生していくのは容易ではなく、再犯を防ぎ確実に社会復帰をさせるには、出所後も一定期間、国の専門機関の監督下に置き、健全な社会生活を送れるよう指導援助していくことが必要である。そのため、刑務所内での成績が良好で、更生意欲が認められる者には、刑期が終了する前に、一般社会で社会復帰の指導を受ける仮釈放と保護観察という制度がある。自立更生促進センターは、そうした受刑者の中で、現状では適切な受け入れ先を確保できない者を入所対象者としている。民間の更生保護施設は全国に102カ所あるものの、受刑者によっては施設への負担の重さや地域の不安などから拒否される例が多く、国の支援が必要との考えから「自立更生促進センター」構想が生まれた。再犯防止策の柱として期待されたが、「治安が悪くなる」との地域住民の反対運動が相次いで頓挫。2009年6月29日、日本で初めての国営施設「北九州自立更生促進センター」がようやく開所した。北九州港近くの税関庁舎を改修したもので、仮釈放者を最大14人、3カ月を上限に受け入れる。施設内には「北九州ブロック保護司センター」も開設された。