内閣が任命した最高裁判所裁判官を、国民投票で審査する制度で、憲法79条に定められている。最高裁の裁判官に任命された後の最初に迎える衆議院議員総選挙の際に行われ、さらに、そこから10年が過ぎた後に行われる同選挙でも行われる。その後も10年ごとに同様に行われる。投票は、対象となる裁判官の名前が記された投票用紙に、有権者がやめさせたいと思う裁判官の欄に「×」印を書き込む形で行われる。罷免を求める票が有効票の半数を超えると、その裁判官は罷免される。誤って「○」印を記すと、その投票用紙全体が無効となる。2009年8月30日、総選挙と同時に国民審査が行われ、15人の最高裁裁判官のうち、前回の衆院選後に任命された、竹崎博允最高裁長官を始めとする9人の裁判官全員が信任された。罷免を求める票の割合は、6~7%だった。これまで国民審査によって罷免となった裁判官はおらず、現状追認の役割しか果たしていないという批判もある。