地方自治体の議会が、議決または決定しなければならない事項を、特定の場合に、地方自治体の長が代わって処理すること。専決処分には、長の専決処分(地方自治法179条)と議会の委任による専決処分(同180条)がある。長の専決処分は、議員の数が定数の半数に満たないなどで議会が成立しないときや、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないとき、必要な議決が得られないときに、緊急的手段として認められている。議会の委任による専決処分は、議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものについて、長が専決処分にすることができる。いずれも事後に議会に報告しなければならず、長の専決処分の場合は、議会の承認を得なければならない。2010年5月12日に宮崎県は、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)発生で影響を受けた畜産農家に対し、緊急対策として10年度一般会計補正予算を専決処分した。