起訴状に記された「訴因」を変更すること。訴因とは、検察側が主張する犯罪の事実（公訴事実）について、その日時、場所や方法などを特定し、刑罰法令に定められた犯罪類型に当てはめて記述したもの。裁判中に起訴状に記された訴因と食い違う事実が明らかになったなどの場合、検察は、事実関係が大きく変わらない範囲で、罪名や犯罪事実について、訴因変更を裁判所に請求することができる。ただし、まったく別の内容を追加するのであれば、訴因変更ではなく、追起訴を行わなくてはならない。大手ゼネコン西松建設をめぐる違法献金事件で2009年3月に起訴された、民主党の小沢一郎幹事長の元秘書の公判で、10年2月4日、検察側が小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる虚偽記載について起訴内容に加える訴因変更を東京地方裁判所に請求。これに対して、弁護側が異議申し立てを行ったため、同年5月26日現在、公判は4カ月近く止まったままとなっている。