公共サービスの効率化や質の向上を目指して策定された政府の基本方針。国や地方自治体が行っている公共サービスを民間にも開放し、官民競争入札(市場化テスト)を導入する「公共サービス改革法」が2006年5月に成立したのを受け、同年9月に策定された。以来、基本方針は毎年改定され、10年7月には民主党政権になって初めてとなる方針が閣議決定された。民主党は民間委託や民間参入をさらに増やす必要があるとして、これまでの内容を抜本的に見直す方針を示し、10年度は「事業仕分け」や「行政事業レビュー」の結果なども踏まえ、対象とするサービスの選定を重点的に進めていくことを打ち出した。今回の改定で注目されるのは、物品や資材を調達する際のコストを減らすため、「競り下げ方式」の導入が明記されたこと。競り下げ方式は、インターネットのオークションのように、締め切り時間内であれば、入札参加者が他社の提示した価格を見ながら、何度でも入札価格を変更できるのが特徴。政府はこれまでの入札方式に比べ、落札価格の引き下げが期待できるとしている。