民主党が設置した陳情に対応する窓口。陳情は中央や地方の政府に対して、国民が直接意見や要望を提出できる制度だが、民主党は自由民主党政権時代の陳情を、与党議員の口利きで政官財の癒着を生んだと批判し、政権交代後の2009年11月に陳情窓口を党幹事長室に一元化した。しかし同年12月、小沢一郎幹事長(当時)が組織・団体からの陳情を理由に、政権公約で撤廃するとしていた揮発油(ガソリン)税などの暫定税率を維持するよう政府に働きかけたことなどもあり、幹事長の権限が強すぎるとの声もあった。菅直人首相が党代表に就任したのを契機に、陳情ルール見直しの動きが加速し、10年10月4日の役員会で、新たに「陳情・要請対応本部」を設けることを決定した。岡田克也幹事長は、陳情の仕組みが大きく変わったのではなく、それを効果的に行うために同本部を設けた、と説明。陳情対応本部の本部長には枝野幸男幹事長代理、本部長代理には長妻昭筆頭副幹事長、横光克彦組織委員長、山根隆治企業団体対策委員長、一川保夫政策調査会長代理が就任した。地方自治体からの陳情は組織委員会、企業などからの陳情は企業団体対策委員会、政策にかかわるものは政策調査会がそれぞれ対応するとしている。