政府の東日本大震災復興対策本部(本部長・菅直人首相)が2011年7月29日に決定した、東日本大震災からの復興の基本方針。基本的な考え方として、復興を担う行政主体は市町村が基本となると明示。復興期間は10年間とし、復興需要が高まる当初の5年間を「集中復興期間」と位置づけ、事業規模を15年度末までの5年間に少なくとも19兆円程度、10年間で少なくとも23兆円程度とした。具体的施策としては、被災地からの提案を一元的かつ迅速に実現する復興特区制度や、復興に必要な各種施策が展開できる、使い勝手のよい自由度の高い交付金を創設するとしたほか、福島県に医療産業を集積して、医薬品や医療機器、医療ロボットなどの研究開発や製造の拠点とすることや、既存省庁の枠組みを超えて地方のニーズにワンストップで対応できるようにするため、復興庁(仮称)を設置することなどを盛り込んだ。また、再生可能エネルギーに関しては、被災地で最新型の太陽光や風力発電設備を設置して行う実証研究を促進することを、原子力災害からの復興では、食品に含まれる放射性物質の安全対策や、子どもの被ばく線量低減に取り組む方針などを明記した。