原子力発電所などで放射線業務を行う人の被ばく線量を全国的に一元管理する民間制度。複数の原子力施設で働く人の被ばく線量を正確に把握することを目的として、1977年に科学技術庁(現文部科学省)の認可を受けて始まった。財団法人放射線影響協会(放影協)に設置された放射線従事者中央登録センターが、被ばく線量等のデータを個人ごとに管理している。データの更新は年に1度で、電力会社など同制度に加入する原子力事業者が、同センターに登録する。作業ごとの被ばく線量は、事業者が放射線管理手帳に記録しており、個々人が自身の最新の被ばく線量を確認できるようになっている。放射線管理手帳は、放射線業務を行う際に放射線管理手帳発効機関により発行されるもので、過去の被ばく経歴が記載されているほか、健康診断結果や放射線防護教育歴などが記されている。同制度は、国の指導を受けながら運用されているが、電力会社などの出資で成り立っている民間の取り組みであるため、法的拘束力はない。2011年3月末時点の登録者は、46万2741人。