衆議院議員選挙区画定審議会設置法で定められている、衆議院選挙における小選挙区の区割りの決め方。小選挙区の総定数300のうち、まず47都道府県に一つずつ議席を割り振り、残りの253議席を人口に比例して配分する。単純に300議席を人口比例で配分すると地方代表が激減することから、定数が減る県の議員らから異論が出て、この方式が採用された。同法は、議員1人当たりの有権者数の格差(1票の格差)を2倍未満にすることを基本としているが、「1人別枠方式」がこれを困難にしているとみられている。事実、1994年の小選挙区制導入時から格差は2倍を超え、1票の最大格差が2.17倍だった2005年9月の衆議院選挙をめぐる定数訴訟では、最高裁判所は「憲法に違反するものとはいえない」としながら、同方式について「本来憲法の趣旨に沿うものとはいい難い」と指摘している。また、09年8月30日に投開票された衆議院総選挙をめぐり、1票の格差が最大2.30倍だったのは違憲として、大阪府箕面市の男性が選挙無効を求めた訴訟の判決で、大阪高等裁判所は同年12月28日、現行の選挙区割りについて「違憲」の判断を示した。なお、衆議院選挙での1票の格差が、最高裁判所で「違憲」または「違憲状態」とされたのは1972、80、83、90年の4回あり、高等裁判所では90年以来となる。