自由民主党の小泉純一郎政権下の2005年10月に成立した郵政民営化法の一部を改正した法律。郵政民営化は小泉元首相が「構造改革の本丸」と位置づけ、関連法案成立後の07年10月に当時の日本郵政公社を、郵便局株式会社、郵便事業株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の4社に分社化してスタートした。しかし、分社化による事務手続きの複雑化や、過疎地の簡易郵便局が閉鎖されるなどのサービス低下が指摘され、民主党の鳩山由紀夫政権下の09年10月に郵政民営化見直しの基本方針を閣議決定。同年12月に日本郵政グループの株式売却を凍結する郵政株式売却凍結法が成立した。こうした郵政民営化見直しの流れのなかで、自民党は民主党の見直し案に反対の姿勢を示していたが、公明党が折衷案を提示したことで、12年3月に民主、自民、公明3党が共同で郵政民営化見直し法案を提出、4月27日に可決・成立した。同法の成立により、郵便局会社と郵便事業会社を統合して日本郵便株式会社に再編するほか、政府が100%保有する日本郵政株を3分の1超を残して売却することが可能になった。05年成立の法律で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を17年9月末までに完全民営化するとしていた方針は努力規定に修正され、小泉政権が掲げた完全民営化路線は7年目にして転換されることになった。