一般には庭などで催す祝賀や披露の宴のことだが、日本では特に、天皇皇后両陛下が各界の人々を招いて開く饗応(きょうおう)の行事を指すことが多い。両陛下主催の園遊会は、毎年春と秋の2回、東京・元赤坂の赤坂御用地内にある庭園赤坂御苑で催される。招待者は三権の長である衆議院参議院の両院議長、内閣総理大臣、最高裁判所長官をはじめ、国会議員、国務大臣など、司法・立法・行政各機関の要人、都道府県知事と同議会議長、市町村長と同議会議長などの地方公共団体要人、及び各省庁の推薦を受けた各界功績者、各国の在日外交官(春のみ)と、これらの人々の配偶者などで、その規模は毎回2000人ほどになる。苑内では食べ物や飲み物が振る舞われ、両陛下や皇族方が会場を歩きながら、招待者と直接お言葉を交わす。1880(明治13)年秋、赤坂御用地に隣接する赤坂離宮(現・赤坂迎賓館)で開かれた「観菊会」と、翌81年に皇居・吹上御苑で行われた「観桜会」が発祥とされる。日中戦争により1937年春以降中止となったが、戦後の53年11月に「園遊会」として再開。当初秋のみだったが、65年4月からは春にも開催されて現在に至っている。2012年4月19日、春の園遊会が開かれ、2月の心臓バイパス手術から静養されていた天皇陛下もご出席され、1900人を超える招待者と親しくご歓談された。毎回話題となる各界功績者だが、今回は宇宙飛行士の古川聡や小説家の加賀乙彦、日本相撲協会前理事長の西森輝門(放駒親方)、東日本大震災の被災地から村井嘉浩宮城県知事、復興推進委員会の五百旗頭真委員長などが招待された。