再犯を防止するために保護観察を強化する内容の法律で、2007年6月8日、参議院本会議で可決成立した。保護観察対象者による重大事件が相次いだのを受けたもので、現行の犯罪者予防更生法と執行猶予者保護観察法は、更生保護法に整理、統合される。保護観察は、刑務所から仮釈放された人や、少年院を仮退院した少年などに対し、社会生活を営ませながら、その更生を図る制度で、国家公務員の保護観察官とボランティアの保護司が指導監督を行う。更生保護法では、保護観察中に順守しなければならない事項について、これまで抽象的だった規定を、「犯罪性のある者との交際の禁止」など具体的に示すことができるようになったほか、保護監察官や保護司との面接や、生活実態についての申告を義務付け、順守事項に違反した場合は、仮釈放や仮退院を取り消すこともできるようになった。また保護観察官や保護司を通じて、被害者の心情を対象者に伝えるなど、犯罪被害者の視点に立った仕組みも導入されている。