国道整備やダム建設、港湾、河川の改修工事など、国が直接計画、実施する公共事業のこと。地方自治体がこの公共事業の建設費や修繕・維持管理費の一定割合を負担することが、地方財政法で定められている。これが国直轄事業負担金である。事業による主な受益者がその当該地方であるという理由からである。しかし、景気後退の影響で厳しい財政難にあえぐ地方自治体から制度改革を求める声が相次いでいる。その背景には、「地方分権の趣旨に反する」という全国知事会の意見や、地元に事業内容の関与・決定権がないまま、多額の支出を強いられるということへの不満がある。2009年2月12日、大阪府の橋下徹知事は、関西国際空港連絡橋の国有化に伴う国直轄事業負担金65億円を「発展性が見えない」との理由から来年度の予算に計上しないとの方針を改めて発表した。また、新潟県の泉田裕彦知事は、北陸新幹線の建設で国から220億円の追加増額を求められている負担金について反発、同年2月18日、08年度分と同額の64億円に「凍結」する新年度予算案を発表し、増額提示以前の分を含めた積算根拠について説明を聞いた上で改めて判断するとした。