政府の緊急情報ネットワークシステム。2004年6月に成立した国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)に基づいて整備されたシステムで、首相官邸の対策本部から行政用専用回線(総合行政ネットワーク〈LGWAN:Local Government Wide Area Network〉)を通じて、地方自治体に一斉に情報を送ることができる。通常の電子メールと異なり、メッセージを強制的に相手側に送信することができ、着信するとアラーム(警報)が鳴る。09年4月5日、北朝鮮がミサイルを発射したことを受け、官邸はエムネットを通じて各自治体に緊急情報を一斉に送信した。しかし、長崎県佐世保市など一部の自治体で、情報が受信できなかったり、受信しても画面表示できなかったりする不具合があった。さらに、前日には「北朝鮮から飛翔体が発射された模様」との誤報が流れて混乱するなど、問題が浮き彫りになった。エムネットには全国で約7割の市区町村が接続しているが、整備されていない自治体では課題も残った。