農産物の販売価格が生産費を下回り、農家に損が出た場合、その差額分を国が補償する制度。民主党が2007年の参議院選挙で導入を訴え、09年8月の衆議院総選挙では目玉政策の一つとしてマニフェスト(政権公約)に掲げた。背景には、大規模農家への支援に傾く政府・与党の農政改革への批判があった。民主党はこの制度で、農山漁村の再生や食料自給率を向上させられるとしている。マニフェストには具体策として、(1)農畜産物の販売価格と生産費の差額を基本とする「戸別所得補償制度」を販売農家に実施する、(2)所得補償制度では規模、品質、環境保全、主食用米からの転作等に応じた加算を行う、(3)畜産・酪農業、漁業に対しても、農業の仕組みを基本として、所得補償制度を導入する、(4)間伐等の森林整備を実施するために必要な費用を森林所有者に交付する「森林管理・環境保全直接支払制度」を導入する、と明記している。