国税や地方税のあり方を審議する首相の諮問機関。政策決定の一元化を目指す鳩山由紀夫政権が、旧政権下で行われていた仕組みを改め、2009年9月29日の閣議決定を経て内閣府に新設した。自由民主党が与党だった時代は、政府と党の税制調査会がそれぞれ論議しながら、実際には自民党税制調査会が決定権を握っていた。こうした意思決定プロセスを不透明で二重権力構造だと批判してきた民主党は、鳩山政権の発足に伴い、党の税制調査会を廃止して、政府の税制調査会に一本化した。構成員はすべて政治家で、会長が財務大臣、会長代行が総務大臣および国家戦略担当大臣。委員は、(1)財務大臣の指名する財務副大臣および財務大臣政務官、(2)総務大臣の指名する総務副大臣および総務大臣政務官、(3)内閣総理大臣の指名する内閣府副大臣、(4)各府省に置かれる副大臣のうち、税制を担当する者、と定めている。初会合は同年10月8日に首相官邸で開かれ、鳩山首相は税制の抜本的見直しを諮問した。