2012年5月11日に閣議決定した、今後10年間の新たな沖縄振興策の指針となる基本的事項を定めたもの。沖縄振興計画は従来、国が策定していたが、12年3月に沖縄振興特別措置法が改正され、国が基本方針を作成し、具体的な振興計画は沖縄県が作成するように変更された。今回決定した基本方針は、「沖縄はアジア・太平洋地域への玄関口として大きな潜在力を秘めており、日本に広がるフロンティアの一つとなっている」との認識に立ち、観光・リゾート産業や情報通信関連産業に加えて、国際物流の拠点となる産業を沖縄振興の中核として確立するなどとした。また、物流拠点化に欠かせない那覇空港について、現在行われている環境影響評価法に基づく手続きが完了した後、適切な財源確保を前提とし、第2滑走路の整備を図ることを明記した。このほか、沖縄本島の鉄道整備に向けた調査、返還される駐留軍用地の利用促進、県内の不発弾処理の推進のほか、沖縄県が自主的な選択に基づいて実施できる沖縄振興交付金制度の創設などが盛り込まれた。沖縄県はこの基本方針に基づいて、振興計画を策定する。