正式名称は「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」。北海道を中心に居住するアイヌ民族が日本の近代化の過程で「差別され、貧窮を余儀なくされた歴史的事実」を反省し、アイヌ民族を、独自の言語、宗教、文化をもった先住民族として認めるよう政府に求める決議。2008年6月6日、衆議院・参議院の本会議で、いずれも全会一致で採択された。07年9月に、日本も賛成して国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を踏まえたもの。決議を受けて同日、政府は、アイヌ民族を先住民族と認め、総合的な施策を確立するとした官房長官談話を発表した。先住民族としての権利や尊厳などについて審議する有識者懇談会の設置も検討されており、アイヌ民族の地位向上を求める「北海道ウタリ協会」は、メンバーとしてアイヌ民族が参加することを、政府に求めている。