防衛省が開発した弾道ミサイル防衛用の大型レーダー「J/FPS-5」の通称。固定型のアンテナが壁に張りついた亀のように見えることから、怪獣映画「ガメラ」にちなんでこう呼ばれる。北朝鮮が予告した長距離弾道ミサイル発射期間の初日に当たる2009年4月4日正午過ぎ、千葉県旭市の防衛省技術研究本部飯岡支所に設置された「ガメラレーダー」が、日本海で何らかの航跡を探知したとして、政府は「北朝鮮から飛翔体が発射された模様」と発表したが、約5分後に撤回。日本の防衛システムの貧しい現状が、世界に知れ渡る結果となった。旭市の「J/FPS-5」は、03年度に研究用の試作機として完成。当初06年度に解体予定だったが、同年のテポドン2号発射を受けて存続することになった。11年度までに全国4カ所の正式配備を予定しており、09年3月31日、鹿児島県の下甑島(しもこしきじま)に量産第1号機が完成したばかりだった。高さ約30m、アンテナの直径は最大で約18m。探知距離は数千kmに及び、天候に左右されることなくミサイルなどの航跡を追えるとされるが、千葉から朝鮮半島方向には日本アルプスがあり、発射基地のある舞水端里(ムスダンリ)に照準を合わせられないため、今回は主に発射後の航跡追尾を担っていたという。