アメリカ軍の新型輸送機MV-22オスプレイの日本における運用ルール。オスプレイは、プロペラの角度を変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機のような高速飛行ができる。従来、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されていた中型輸送用ヘリコプターCH-46と比較して、飛行速度は約2倍、搭載量は約3倍、行動半径は約4倍という高い性能を誇る一方、開発段階から事故が相次ぎ、安全性が懸念されている。日米両政府は、事故は「人為ミス」が原因とし、2012年9月19日の日米合同委員会で、オスプレイの日本での運用ルールについての取り決めを交わし、10月1日から6日にかけて12機を米軍普天間飛行場に配備した。日米が合意した運用ルールは、(1)米軍施設・区域周辺での飛行経路は、できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるよう設定する、(2)夜間飛行訓練は任務達成や練度維持に必要な最小限に制限する、(3)通常、垂直離着陸モード(ヘリモード)での飛行は米軍施設・区域内だけで、転換モードでの飛行時間はできる限り限定する、(4)低空飛行訓練の際には、地上から500フィート(約150メートル)以上の高度で飛行する、などの内容が盛り込まれている。しかし配備後、市街地上空を垂直離着陸モードや転換モードで飛行するなど、運用ルールに反すると思われる飛行が繰り返されており、沖縄県などでは反発を強めている。