内閣府に設けられている「重要政策に関する会議」の一つである総合科学技術会議(議長・菅直人首相)が、2020年を見据えて策定する行動計画。10年6月18日に閣議決定した「新成長戦略」の実現に向けた取り組みの一つで、複数の府省にまたがる科学・技術関連事業の重複を避け、予算の効率化を図る狙いがある。アクション・プランは、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを徹底するため毎年見直すとしているが、7月8日に初めて公表されたプランでは、11年度予算で特に重点配分を求める科学技術の重要施策として、「グリーン・イノベーション」と「ライフ・イノベーション」から、以下の8分野を選定した。(1)太陽光発電の飛躍的な性能向上と低コスト化の研究開発、(2)木質系バイオマス利用技術の研究開発、(3)蓄電池/燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化の研究開発、(4)情報通信技術の活用による低炭素化、(5)地球観測情報を活用した社会インフラのグリーン化、(6)ゲノムコホート研究と医療情報の統合による予防法の開発、(7)早期診断・治療を可能とする技術、医薬品、機器の開発、(8)高齢者・障害者の生活支援技術の開発。今後、同会議が「司令塔」として府省間と連携し、8月末の概算要求に向け調整していく。