特定の港湾の整備について資金や税制面で国が重点的に支援する政策。2010年8月6日、国土交通省が、阪神港(神戸、大阪)、京浜港(東京、川崎、横浜)の2港を国際コンテナ戦略港湾に選定したことを発表した。同政策は、政権交代後の09年10月に国交省が打ち出したもので、04年度から始まったスーパー中枢港湾構想を引き継ぎ、さらに一層の集中投資を行うことで、釜山や上海、シンガポールなど、コンテナ取扱量で世界上位を占めるアジア諸国の港湾に肩を並べることができる海上輸送の拠点(ハブ)港湾づくりを目指すもの。国交省は、戦略港湾の選定にあたって、公募を行い、これに阪神、京浜の両港のほか、伊勢湾、北部九州港湾も応募していた。国交省の有識者委員会が、基幹港湾としての位置づけやコスト、環境などを総合的に採点した結果、もっとも採点の高かった阪神、京浜両港が選ばれた。11年の通常国会で港湾法を改正し、直轄事業の国負担率の引き上げや固定資産税の減免などを行い港湾整備を支援。最大級のコンテナ貨物船が着岸できるターミナルの整備やコストの低減など、港湾サービスを強化する。