原子力損害賠償法(1962年施行)に基づいて文部科学省に設置される組織で、原子力発電所の事故に関する損害賠償の指針を策定する。99年9月に茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で発生した臨界事故を受けて、同年10月に初めて設けられた。メンバーは法律、医療、原子力の専門家らで構成され、文部科学大臣が任命する。JCO臨界事故の際には、損害賠償をめぐる紛争について和解の仲介や、それに伴う原子力損害の調査や評価を行った。2011年4月11日には同年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、1999年以来2度目となる審査会が設置され、4月15日に初会合が開かれた。今回のメンバーは、大塚直(早稲田大学大学院法務研究科教授)、鎌田薫(早稲田大学総長、同大学大学院法務研究科教授)、草間朋子(大分県立看護科学大学学長)、高橋滋(一橋大学大学院法学研究科教授)、田中俊一(高度情報科学技術研究機構会長)、中島肇(桐蔭横浜大学法科大学院教授、弁護士)、能見善久(学習院大学法務研究科教授)、野村豊弘(学習院大学法学部法学科教授)、山下俊一(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科研究科長)、米倉義晴(放射線医学総合研究所理事長)の10人。