北海道洞爺湖サミットにあわせて、2008年7月1~4日の4日間、世界各地の先住民族が集まって開かれた会議。アイヌ民族の有志が主催し、北海道の平取(びらとり)町と札幌で開かれた。アメリカのチェロキーやコマンチ、カナダのモホーク、ノルウェーなどのサーミ、台湾のアミ、ニュージーランドのマオリなど、12カ国22民族が参加し、「環境」「権利回復」「教育・言語」の三つの分科会を設けて議論。7月4日最終日には、洞爺湖サミットに参加する主要国首脳への提言として、「二風谷宣言」を発表して閉幕した。内容は、07年9月に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の実行、気候変動枠組条約の取り組みへの先住民族の参加、先住民族の土地での放射性廃棄物などの廃棄の差し止めなど。日本政府に対しては、08年6月に採択された、アイヌを先住民族として認める決議を踏まえて設置された有識者懇談会について、アイヌ民族の委員が1人しかいない現状に抗議し、半数以上をアイヌ民族によって構成するよう求めている。