東京電力福島第一原子力発電所事故で避難している住民の早期帰還や定住に向けたプラン。安倍晋三政権が復興の加速に向け、2013年3月7日に復興庁の復興推進会議と内閣府の原子力災害対策本部(いずれもトップは安倍首相)の合同会合を開いて策定した。プランの内容は、基礎となる取り組みとして、(1)インフラの早期復旧、(2)災害廃棄物などの処理の実施、(3)除染・中間貯蔵施設の進展、(4)原発の安全性確保、(5)十分な予算の確保と柔軟な執行、(6)賠償の丁寧で迅速な対応、の六つを掲げた。また、生活再開にあたって取り組むべき重点分野に、(1)医療・福祉体制の確保や商業施設の再開など生活環境の整備、(2)産業振興と雇用の確保、(3)農林水産業の再開、の三つを掲げた。プランの実施にあたっては、2月に新設した福島復興再生総括本部と福島復興再生総局の枠組みを最大限機能させて対応する。福島復興は、被災自治体の置かれている状況が異なることから個別に取り組み、今後1~2年で住民が帰還できる環境が整う区域については、国や自治体が連携し、13年夏ごろをめどに具体的な道筋を示す工程表をまとめる。