脱原発を、遅くとも2025年3月31日までの、できるだけ早い時期に実現することを基本理念とした法案。原案は、市民団体である脱原発法制定全国ネットワークが作成した。同団体は、脱原発弁護団全国連絡会の河合弘之、作家の大江健三郎、瀬戸内寂聴、鎌田慧、音楽家の坂本龍一らが代表世話人となり、12年8月22日に設立された。この法案では、脱原発を、「原子力発電を利用しなくなることに伴う各般の課題への適確な対応を図りつつ、原子力発電を利用せずに電気を安定的に供給する体制を早期に確立すること」と定義している。その実現のため、省エネルギーの推進、再生可能エネルギー電気の普及、発電方式などの効率化、エネルギーの地産地消の促進が重要であること、同時に原発立地地域や周辺地域の適切な経済対策の必要性についても盛り込まれている。同年9月7日、与野党議員103人の賛同を得て、うち13人の議員によって衆議院に共同提出され、継続審議となった。