福田康夫首相が提案した地球温暖化対策を指す。二酸化炭素などの温室効果ガスを削減するために、日本が今後取り組む目標を示したもので、2008年6月9日に日本記者クラブで「『低炭素社会・日本』をめざして」と題して発表された。ビジョンでは長期目標として、温室効果ガスの排出量を2050年までに現状から60~80%削減することを掲げ、低炭素社会の実現を目指すことを強調。中期目標としては、ヨーロッパ連合(EU)が提唱する「2020年までに90年比で20%の削減」(05年比14%削減)も可能とし、09年中に「国別総量目標」を発表する考えを明らかにした。また、08年秋には排出量取引の実験を開始することや、環境税を含め税制全般を横断的に見直すことにも言及した。「福田ビジョン」は、08年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に向け、議長として地球温暖化の議論を主導することを、国内外にアピールしたものととらえられている。