「地域決定型地方税制特例措置」の通称で、地方自治体が独自に地方税の負担軽減を定めることができる制度。税制を通じて住民自治を確立し、現行の地方税制度の抜本的改革を検討するため、2011年6月に総務省に置かれた「地域の自主性・自立性を高める地方税制度研究会」(自主・自立税制研究会)がまとめた10月の中間報告に制度の導入が明記され、11月1日に総務省が12年度から導入する方針を明らかにした。この制度は、これまで国が統一的に定めていた地方税に関する特例措置を可能な限り廃止し、地方自治体が特例措置の内容を条例で定めることができるようにするもので、導入の背景には地方分権を進める狙いがある。特に東日本大震災後は、地域の特性に合わせた政策運営を行う必要性が高まっており、新制度が導入されれば、例えば将来的に大地震が発生する確率が高いとされる地域の自治体が、災害対策を強化する工事への優遇措置を手厚くするといったことができる。ただ、この制度を活用するには、自治体側に意識改革が必要といった指摘もある。