財務省主計局が各府省の予算の執行状態を点検する調査。予算が効率的に使われているか、使い方に無駄がないかを調べ、歳出削減につなげる狙いがある。予算の調査については、会計検査院の決算検査報告や各府省が行う政策評価などがあるが、財務省も2002年度から財務大臣の指示で独自に始めた。調査に当たっては、財務省主計局や全国の財務局の担当職員が、直接事業現場へ行って実態を調べ、改善すべき点があれば指摘するなどして、翌年度の予算編成に反映させる。例年4月初めに調査対象となる事業を選定し、6月末から7月上旬にかけて調査結果をまとめて公表している。11年度は65件の調査を実施し、事業を統廃合することなどによって109億円の削減を24年度予算に反映した。12年4月6日に発表された12年度の調査対象事業は75件。総務省の平和祈念事業や、文部科学省の高校生奨学金事業、厚生労働省の次世代育成支援対策推進事業、国土交通省の道路交通安全対策事業などのほか、各府省の外部講師等への謝金、図書購入経費、コピー用紙の購入経費、白書等の作成経費、携帯電話に係る通信費、近距離区間の交通費などが調査事案に挙げられている。財務省では予算執行調査の事業選定の参考にするため、「予算執行ご意見箱」をホームページ上に設置し、一般からの意見も集めている。