カリブ海の小国ハイチで2004年6月から展開している国連の平和維持活動(PKO)で、軍事・警察要員計約9000人。主な任務は、(1)武装解除や動員解除、警察への支援などによる安全で安定的な環境の確保、(2)選挙支援などによる民主的政治プロセス支援、(3)女性や子ども、帰還民や避難民などの人権状況の監督、など。フランスから1804年に独立した後、アメリカによる軍事占領を経て独裁体制が続いたハイチでは政治的混乱が続き、1991年の軍事クーデター後、93年に国連ハイチ・ミッション(UNMIH)が派遣された。その後、再度のクーデターや反政府武装勢力による治安情勢悪化を受け、国連は2004年2月に暫定多国籍軍(MIF)を展開、それがMINUSTAHへ移行した。10年1月12日の大地震によりMINUSTAHの本部ビルなどが倒壊、トップのヘディ・アナビ事務総長特別代表以下、幹部3人が死亡したほか、派遣団の要員や国連機関のスタッフなど、国連職員61人が死亡し、単一の災害としては国連史上最悪の被害となった。国連は軍事・警察要員計3500人の増派を決定したが、首都ポルトープランスでは、食料配給を求めて争う人々に対して国連部隊が威嚇発砲するなど、混乱も発生している。1月25日、日本政府は人道復興支援のため、MINUSTAHに陸上自衛隊の施設部隊約300人を派遣する方針を決定した。