1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故から25年となるのに合わせて2011年4月19日に開催された、原子力エネルギーの安全な利用に関する首脳会議。正式名称は安全で革新的な原子力エネルギーの利用に関するキエフ・サミット(Kyiv Summit on Safe and Innovative Use of Nuclear Energy)。チェルノブイリ原発の立地国、旧ソ連ウクライナの首都キエフで、30カ国の首脳と国連や国際原子力機関(IAEA)、欧州連合(EU)など計約50の国と国際機関の代表が集まった。日本からは高橋千秋外務副大臣が出席して、東京電力福島第一原子力発電所の状況や日本の事故対応の説明や、原発事故について最大限の透明性をもって情報提供を行うことなどを表明した。会議では、原発事故は国境を越えるとして、事故発生時の各国の協力の重要性が再認識され、新たな安全基準を設定すべきという意見も出た。福島第一原発事故にかんがみ、大規模な自然災害によって引き起こされる原発事故への迅速な対応の重要性や、原子力安全条約への加盟を未加盟国に呼びかけるなどを内容とした共同宣言が採択された。