2007年1月10日にアメリカのブッシュ大統領が発表したイラク政策の大規模な見直し策のこと。イラクに対する政策への信任が争点となった06年中間選挙で共和党が惨敗、政策の転換が求められていた。新政策は、従来の政策の失敗を認めつつ、兵力増強による事態打開を基調とするもので、06年12月に提言された超党派諮問機関「イラク研究グループ」の段階的撤退案とは相いれない内容となっている。その骨子は、治安回復を緊急の優先課題として、(1)特に首都バグダッドなどの治安維持に重点をおいたアメリカ軍2万人以上の一時的増派、(2)07年11月までのイラク側への全治安権限の移譲、(3)雇用創出など約12億ドルの経済援助、(4)イランとシリアの影響力の排除、などからなる。