沖縄県の那覇空港、嘉手納飛行場、普天間飛行場の航空管制を行うレーダー進入管制所のことで、ラプコン(RAPCON)はRadar Approach Controlの頭文字を併せた略称。1972年5月の沖縄の本土復帰に伴い、那覇空港の飛行管制業務などはアメリカ軍から日本に返還されたが、嘉手納基地を中心に半径約92km、高度約6100mまでと、久米島空港から半径約56km、高度約1520mまでの大小二つの円柱形の空域は、「暫定措置」としてアメリカ軍が嘉手納基地のレーダーで航空管制を行ってきた。そのため那覇空港に着陸する民間機は、国土交通省の管制から嘉手納ラプコン、さらに那覇空港の飛行管制へと3段階の引き継ぎを受けたり、嘉手納基地に軍用機が着陸する場合は高度300m以下の低空飛行を要求されるなど、運航の安全性が懸念されてきた。ラプコンの故障などのトラブルもあり、2004年12月の日米合同委員会で返還が合意され、10年3月31日に日本へ返還された。アメリカ軍による日本の航空管制として残るのは、横田基地の横田ラプコン、岩国基地の岩国ラプコンの二つとなる。