2011年3月19日にアメリカやイギリスなどが開始したリビアへの軍事作戦に対して、アメリカ国防総省が付けた名前。作戦には当初、アメリカとイギリス、フランスのほかカナダとイタリアが参加した。イギリスはエラミー作戦(Operation ELLAMY)、フランスはアルマタン作戦(Operation Harmattan アルマタンは西アフリカに吹くほこりっぽい熱風のこと)と呼ぶ。11年に入り、北アフリカのチュニジアやエジプトでは民衆蜂起により長期政権が打倒され、そのうねりはバーレーンやイエメンなど周辺国にも広がった。リビアでも、1969年のクーデター以来40年以上にわたり最高指導者の座にあるカダフィ大佐に不満を抱く北東部ベンガジ地方などで、2月中旬から反政府デモが始まった。反体制派のデモは首都トリポリにまで及び、カダフィ政権側の私兵がデモ隊に発砲。さらに反体制派の拠点を空爆するなどして多数の死傷者が出る内戦状態に至った。国連安全保障理事会(安保理)がリビア制裁決議を全会一致で採択するなど、国際社会の非難が高まり、カダフィ大佐も即時停戦を表明するなどしたが、内戦は収まらなかった。そこで3月19日、米英仏を中心とした多国籍軍が、国連決議に基づき、リビア上空に飛行禁止空域を確保して政権側による空爆を止めるため、軍事作戦を開始した。地中海に展開する艦船25隻から、巡航ミサイル「トマホーク」約110発を発射して、トリポリをはじめ計20カ所のリビア軍の防空・通信施設を破壊し、23日までに、多国籍軍の出撃回数はのべ300回を超えたとされる。