国連安全保障理事会（安保理）による北朝鮮への制裁決議。2013年3月時点で、国連安保理決議第1718号（06年）、第1874号（09年）、第2087号（13年1月）、第2094号（13年3月）の四つが採択されている。第2087号を除き、国連憲章7章に基づくことが明記されており、法的拘束力を持つ。各決議では、北朝鮮による核実験やミサイル発射を非難し、北朝鮮が核計画やミサイル計画を完全で検証可能、かつ不可逆的な方法で放棄することを求めている。また、国連加盟国に対しては、北朝鮮のミサイルや核兵器などにかかわる金融機関などへの制裁や物品などの禁輸措置を要請してきた。13年2月の北朝鮮による3度目の核実験を受けて採択された国連安保理決議第2094号では、従来要請にとどまっていた北朝鮮への金融制裁や貨物検査などを義務化。金融制裁の対象も広げたほか、外交特権を利用した決議違反行為を防ぐため、北朝鮮の外交官に対する警戒を強化することなどを新たに盛り込んだ。また、従来加盟国が独自に指定していたぜいたく品の禁輸についても、宝石類やヨット、高級車、レーシングカーを具体的に禁輸対象として指定するなど、度重なる北朝鮮の決議違反に対して、制裁内容が大幅に強化された。