2001年に南アフリカのダーバンで開かれた、国連の人種差別撤廃会議の成果や進ちょく状況を見直し、今後の検討課題を話し合うため、09年4月20~24日、ジュネーブの国連欧州本部で開かれた国際会議。100を超える国と約2500のNGO(非政府組織)が参加した。しかし、採択予定の「成果文書」にイスラエル批判の文言が残っている、としてアメリカが欠席を表明。イスラエル、ドイツ、イタリアなどもこれに続き、計9カ国が欠席した。会議では、初日のハイレベル会合で演説したイランのアフマディネジャド大統領が、イスラエルを「最も残酷で抑圧的な人種差別的な政権」と強く批判。フランスなどヨーロッパの外交官たちが演説途中で退席する事態となった。結局、イスラエルを批判する文言が盛られた01年のダーバン宣言を再確認するとした「成果文書」は、採択予定を最終日から前倒しして21日に採択。「人種差別撤廃の促進」という本来の目的より、中東問題をめぐる各国の立場があらわになる会議となった。