国際原子力機関(IAEA)主催の中東地域における非核兵器地帯創設に向けた国際会議。2011年11月21~22日の2日間、オーストリアのウィーンにあるIAEAの本部で開催された。アラブ諸国や、核不拡散条約(NPT)に不参加のイスラエルを含む約100カ国から、各国の大使や核問題の専門家など約300人が出席。IAEAは、00年より同会議の開催を模索してきたが、事実上の核保有国であるイスラエルと、同国にNPT加盟を求めるアラブ諸国との対立などで実現にいたらず、今回が初めての開催となった。なお、イランは、11年11月18日にIAEA理事会が同国に対して核疑惑解明を求める決議を採択したことに抗議し、参加しなかった。非核地帯は、すでに東南アジアやアフリカなど、5地域で実現している。同会議では、それらの先例を参考にしながら、中東地域における核廃絶の実現可能性をめぐって非公開で討議がなされ、今後も各国が非核化へ向けて努力することを盛り込んだ議長総括をまとめた。なお、10年5月に開催されたNPT再検討会議では、国連事務総長の呼びかけで12年中に中東地域のすべての国が参加して、非核化に向けた国際会議を開催することに合意しているが、NPT未加盟のイスラエルは、参加拒否の意向を示している。