核物質や原子力関連資機材および技術の移転などに関する国家間の取り決め。平和的利用を前提に、軍事転用の禁止や第三国への移転の規制など、法的な保証を取り付けるために締結される。協定は政府間で署名し、国会が承認して発効する。日本はすでにカナダ、イギリス、フランス、オーストラリア、中国、アメリカ、ユーラトム(ヨーロッパ原子力共同体)、カザフスタンの7カ国1機関と締結しており、2011年3月の東日本大震災前にベトナム、ヨルダン、ロシア、韓国の4カ国と署名を済ませていた。東京電力福島第一原子力発電所事故により一時承認を見合わせていたが、同年12月9日の参議院本会議でベトナム、ヨルダン、ロシア、韓国との原子力協定承認案が可決され、承認された。これにより日本は当該国への原子力発電所や原子炉部品の輸出などが可能になる。今後、日本はインド、トルコ、ブラジル、南アフリカ、アラブ首長国連邦(UAE)などと原子力協定の締結を進める方針を示している。