核戦争の危機を警告するため、地球滅亡までの残り時間を象徴的に表した時計。アメリカの科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(Bulletin of the Atomic Scientists)」が創設・管理し、シカゴ大学に置かれている。地球滅亡時間を午前0時とし、地球規模の状況を考慮して残り時間が決められている。1947年に「残り時間7分」の警告で、「ブレティン」誌の表紙に初めて登場して以来、53年に米ソの水爆実験成功による危機感から「2分前」と警告されたのが最短。一方、69年に核拡散防止条約批准を受けて「10分前」へと延ばされ、さらに91年には冷戦の終了、東欧の民主化から「17分前」に遠のいたのが最長。しかしアメリカの対弾道ミサイル条約(ABM条約)脱退により、2002年には「7分前」へと針が進み、緊張感の高まりを示した。そして07年1月17日、北朝鮮の核実験とイランの核問題などを受けて、針が2分進められ「5分前」(23時55分)とすると発表された(現地時間)。