ロシア極東のアムール川(中国名は黒竜江)とウスリー川が合流する地点の中州島で、中国とロシアの最後の国境問題となっていた島。中国名は、タラバロフ島と合わせて黒瞎島〔ヘイシアツー〕。清の時代はこの地域の一部も中国領土だったが、1920年代の軍事衝突後、ロシア(旧ソ連)が実効支配していた。中ソ関係の改善をうけて、80年代以降、国境問題の本格的交渉が続けられてきた。2008年7月21日、中ロ両外相が、この地域の国境線を画定する合意文書に署名。極東の拠点ハバロフスクの対岸に位置する大ウスリー島(面積約327km2)の東部はロシアが領有するが、同島の西部(面積約174km2)とタラバロフ島は中国に引き渡されることになった。中国とモンゴルの国境に近いアルグン川のボリショイ島(中国名は阿巴該図島)を中ロでほぼ二分割する取り決めと合わせ、約4300kmにおよぶ中ロ間の国境問題が完全に解消された。