中国政府が2009年1月20日に発表した国防白書。中国国防白書は1998年以来2年ごとに公表されていて、今回で6回目。白書では、2008年12月、ソマリア沖の海賊対策のために海軍が新鋭のミサイル駆逐艦3隻を派遣したことなどを踏まえ、「強大な海軍の建設に努力する」として、各国が警戒する空母建造には触れないものの、「遠洋での協力や(テロなど)非伝統的な脅威への対応能力を着実に発展させる」と明記している。08年の国防予算は4177億6900万元(約5兆8490億円、対前年比増加率19.6%)。伸び率は1988年から20年連続で2けたを記録していることを明らかにした。また、今回初めて、2007年に限り国防費の簡単な内訳を公表。現役部隊に3434億3900万元(約4兆8081億円)、予備役部隊に36億9300万元(517億円)、民兵に83億5900万元(約1170億円)を支出したとしている。前回の白書では、集団的自衛権の問題や日米同盟の強化をあげて日本への警戒感を示していたが、今回は艦艇の相互訪問などをあげて「中日の防衛関係は進展した」としている。台湾情勢に大きな前向きな変化があったとする一方、チベットや新疆ウイグル自治区での独立運動を国家統一への脅威としている。