リビアで新政権の樹立を目指す反体制派の中核組織。2011年2月、北東部にあるリビア第2の都市ベンガジで発足した。議長を務めるムスタファ・アブドルジャリルは、カダフィ大佐の独裁政権による反政府デモ弾圧に抗議して辞任した前司法書記(法務大臣に相当)。反カダフィ各派の部隊を束ねる軍事部門も持ち、北大西洋条約機構(NATO)指揮下の多国籍軍による空爆に支援されながら、政権軍との戦闘を続け、11年8月下旬に首都トリポリのほぼ全域を制圧するに至った。国民評議会は、逃走中のカダフィ大佐の追跡を続ける一方で、拠点をトリポリへ移し、暫定政府樹立による新体制作りなど、新生リビアの建設に着手する態勢に入った。すでに欧米主要国などが、国民評議会を「正統な代表」として承認している。